佳作 不漁による日本の水産業の危機

堺市立金岡南中学校1年 浦木 一也

 みなさんは、ニュースを見て水産物が減少していると思いませんか。少し前まではあまり聞かなかったのに、近頃では、よく「不漁」という言葉を聞きます。その原因について考えていきます。
 一番の原因は、「乱獲」だと考えます。乱獲とは、魚などをむやみに獲ること。これを読んで地球温暖化が原因なのでは、と思った人もいるでしょう。僕も、初めはそう思いましたが、その場合、世界の水産業の生産量も減少するはずなのだが、逆に右肩上がりになっている。ということは、何か違う理由ということで乱獲だと思った。みなさんは乱獲と聞き、どんなことを思いますか。よく、干潟でアサリやカキなどの貝を大量に取っているのは密漁です。実は日本のすしの定番のマグロの中でも、珍しいクロマグロ(本マグロ)が今、絶滅の危機にあります。まず、その理由について説明します。クロマグロは絶滅の危機にあると書いたように、数が少なくさらに、四十キログラムの成魚になるまでに、三年もかかる魚です。そして、クロマグロが乱獲され始めたのが、一九六〇年以降で、その時は日本の漁船が次々とマグロを獲るために世界の海へ進出し、一九七〇年代までは、他国はほとんどマグロを獲らなかったため、マグロは減らなかった。しかし、日本にマグロが高く売れることに、気づいた他国は乱獲をはじめ、成魚になっていない幼魚まで全てを獲るようになりました。その結果、北太平洋にすむクロマグロの九十六パーセントが海から姿を消しました。クロマグロのように、ニホンウナギやジンベイザメなども乱獲をされ、クロマグロもニホンウナギもジンベイザメも今は絶滅危惧種になっています。こんな乱獲を防ぐためには、世界中の人々全員にこのことを知ってもらうことだと思う。みんなが知れば、乱獲に反対する人が多くなり、乱獲する人もしにくくなるし、国々がそれなりの規制をすれば、乱獲する人が少なくなり効果が出ると考えたからです。
 次に、二番目の原因は、排他的経済水域(EEZ)の設定されたことが原因だと考える。まず、排他的経済水域ができたのは、一九七七年三月二十九日にできました。そして、できた理由は海洋天然資源の持続的な利用が妨げられないよう、資源管理の徹底のために作られました。それが何の問題もないのでは、と思った人もいると思いますが、日本は、明治以降では漁業に力を入れていた。さらに、戦後直後の日本では食糧難になり、貴重なタンパク源として注目されたのが魚、漁業だった。そして、国は漁業の民主化にしたりして、国や国民の期待を受けた漁業は、急激に成長して、北西太平洋海域は世界全体の生産量の二割を占めていた。さらに、一九五二年に制限の撤廃されたことで、遠洋漁業の可能性がさらに広がり、生産量は増えていった。終戦直後は百八十万トンだったが、一九七二年には世界一位になり、一番のピークだった一九八四年には、一二八二万トンにもなった。しかし、一九七七年に設定された排他的経済水域により、日本の漁船は、これまで開拓してきた世界中にある漁場から追い出され、遠洋漁業が衰退してしまった。さらに、日本の排他的経済水域内で徐々にマイワシなどの魚が獲れなくなり、ついには、一九八七年には中国に生産量で抜かされ、十六年間一位となっていたが一位ではなくなり、それからも右肩下がりになっていったことから、これが原因だと僕は考えた。排他的経済水域の広さは変えられなくても、排他的経済水域内の魚を獲り過ぎずにやっていくことで、魚が少しずつ増えていき、生産量がこれ以上減っていくことがないと考える。もしくは、養殖を増やしていくことで、今天然の魚を獲る量を減らしても、養殖のものでおぎなえばいいので、養殖も必ず必要だと考える。
 そして最後の原因は、海水温の上昇と海洋環境の悪化です。この二つに関してはだいたい予想できるかもしれません。まず、海水温は地球温暖化の影響で水温が上がり、これまでいた魚がどんどん北へ行っています。例としては、さんまやカニ、サバなどよく目にするものばかりです。そして、海洋環境の悪化は、いろんなものによるためですが特に、プラスチックによるものが多いです。川や海にプラスチックごみを捨てることによるもので、よくニュースなどでやっているのがカメがビニール袋を食べてしまい、死んでしまったりします。マイクロプラスチックを大量に食べてしまい死ぬ魚もいます。
 そして、日本での不漁はほとんどが自分たち人間がしたことである。それは、人間がどうにかして戻す以外の選択はない。だからこそ、みなさんにこのことを知ってもらい、行動を起こすのが僕の考えだ。


2022年12月09日