佳作 なくてはならない海運業

大津市立 青山中学校 1年 藤田 万由

 私は知らなかった。この作文を書こうと思うと話した時に父が教えてくれた。
「お父さんは昔、海運会社で事務員をやっていたんだ。」
 「えーそうだったの。」現在は海無し県滋賀で働いている父が海と関係のある仕事をしていたなんて意外だった。父は働き始めた頃は会社の中の書類が全て英語で書かれていて、とても苦労したようだ。「なぜ書類が全て英語で書かれているの。」と聞くと父は「船は世界中の海を航海するからコミュニケーションをとる手段として世界共通語である英語を使うんだよ」と答えてくれた。
 その後父は海や船に関することを色々と教えてくれた。
 まず始めに教えてくれたことは、世界中で物を運ぶという仕事の多くは船が担っているということだ。私が普段目にする物を運ぶ手段はトラックが多いと思っていたが、世界中で見ると船が圧倒的な割合をしめていると父は教えてくれた。
 なぜなら、トラックや貨物列車は陸地しか走れない。考えてみれば地球の約七割は海洋なのだから船が一番物を運ぶ手段として活やくしているのは納得できる。
 それに、トラックや貨物列車は一度に運べる物の量が船に比べるとはるかに少ない。対して船は一度に運べる物の量が圧倒的に多く、タンカーはとても巨大で私たちが想像しているよりもはるかに多くの者を運べるからだ。
 次に教えてくれたことは、世界中で戦争が起こった時に、日本に必要な物資、例えば食料、原油などを安定して運ぶことができるのは、日本の海運会社だということだ。国と国とが争っている時に最後に頼ることができるのは日本の海運会社だと教えてくれた。
 もう一つ教えてくれたことは、太平洋戦争中に日本の海運会社の船員達がアメリカ軍の攻げきを受け、船をしずめられ、たくさんの船員が死亡したという事実があるということだ。大砲などの兵器を持たない日本の貨物船はただ攻げきを受けしずんでいくだけだったようだ。
 最後に、海に囲まれている資源が少ない日本にとって貿易により、日本が造った製品を外国へ輸出し、外国で作られた製品を輸入するという、日本を支えていると言っても過言ではない海運業は日本にとってなくてはならない存在だと私は思う。

 

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2018年12月01日