佳作 「土用の丑の日」を考え直しませんか

大津市立 青山中学校 2年 西 優人

 みなさん「土用の丑の日」という日を知っていますか。土用の丑の日とは立秋の前の十八日間(それを土用という)の昔の数え方の丑という日に夏バテを防いだり、夏の暑さを乗り切るために栄養価の高いウナギを食べるという習慣です。でも、僕は生まれてから一度もウナギを食べたことがないと思います。それはなぜか。値段が高いからです。
 昔は、庶民の人でも普通に食べていたのになぜここ数年はウナギの値段がここまで上がってしまったのでしょう。理由として考えられるのは海洋環境の変動や悪化さらに乱獲などです。さらに、二千年頃(平成十三年頃)にピークだった中国からの大量のヨーロッパウナギの輸入もそのウナギが絶滅危惧ⅠA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い種)に登録され、ワシントン条約で輸出入が規制されて国内のウナギの供給量が減ったためでもあります。二ホンウナギも二千十四年(平成二十六年)絶滅危惧ⅠB類(ⅠA類ほどではないが近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種)に登録されました。
 でも、ウナギは養殖されています。なのに、なぜ絶滅危惧種になったのでしょうか。それは、ウナギの養殖過程に原因がありました。実はウナギは養殖されていると言いましたが完璧に養殖されているのではないのです。シラスウナギという天然のウナギの稚魚を獲まえ、それを養殖しているのです。つまり稚魚を獲まえられないとスーパーのウナギはいなくなってしまいます。
 では、なぜウナギは完璧に養殖できないのでしょう。そのわけはウナギの生態に原因がありました。シラスウナギは春先に河口にたどりつき、川をどんどん上がっていき河川、湖沼、内湾に生息し、夜行性で、昼間は石垣、穴、泥の中などに潜み、夜間は水中に出て餌をとります。さらに春から餌をとる量が増え、夏によく成長します。しかし、水温が十度に下がる冬などは餌をとらなくなり、ほとんど泥の中に潜っています。また、秋の水温低下とともに下流の深所や内湾に下り、春になるとふたたび上流へ移動したりします。このような生活を淡水域で五から十年ほど過ごしてから、親魚は九月頃から産卵のために下りウナギとなってここから約二千五百キロメートルも離れたグアム島やマリアナ諸島の西側沖の深海で産卵します。このようなことから人工的にこれらの環境を再現するのは非常に難しいため、完全養殖ができないのです。
 ここでみなさんこれだけ絶滅危惧種と言われている物は、購入は控えた方がいいと思いますか。それとも控えなくてもいいと思いますか。水産庁の意見としては、控えなくてもいいのだそうです。言い分としては、現時点では、二ホンウナギの個体数が減少している原因が特定されていないため、仮にその原因が過剰な漁獲以外であった時、禁漁してもその個体数が増えないためであるからだそうです。さらに、禁漁にしてしまうと、養殖事業者の多くは事業を続けられなくなるため、ウナギの食文化が消えてしまうからだそうです。しかし、日本自然保護協会の意見は控えた方がいいらしいです。言い分としては、はっきりとした原因がわからないので乱獲による可能性も否定できないため、ウナギの保全を最優先で考える必要があるらしいです。このように組織によって大きく考え方が変わっていましたが、直ちに絶滅するものではないが不漁が続けば購入できなくなる可能性があるという点では一致していました。
 乱獲によってうなぎが将来的に購入できなくなる可能性があるにもかかわらず、だいたいのスーパーが「今日は土用の丑の日です」といってその日に近い間はずっとウナギの販売コーナーを増やしている光景を一度は見たことがあるでしょう。そしてお祭りのようにその期間になると売られています。しかし、その裏では問題が起きていました。二千十八年六月五日のニュースでは、二千十七年に消費者に販売されずに二ホンウナギのかば焼きが少なくとも二・七トンが廃棄されたことが書いてありました。この二・七トンとはウナギ一万三千六百五十匹に相当する量で絶滅危惧種であるにもかかわらず大量販売されるだけでなく大量廃棄されているのは実に無駄なことです。
 そのこともあり近年では、土用の丑の日にウナギの代用品としてスタミナの付く物や、美味しい物などを売っているスーパーもあります。
 僕は、ウナギを守るためにできるだけ漁獲量を少なくし、無駄を無くし、少しでも下りウナギを増やすために言います。
 「土用の丑の日にお祭り騒ぎでウナギを食べるのはやめませんか。」

 

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2018年12月01日