佳作 深海について

帝塚山中学校 1年 内藤 怜生

 ぼくは小さい頃から深海の生物に興味がありました。
 深海は、高圧、低温、暗黒という過酷な環境です。水圧は、十メートルもぐる毎に一気圧ずつ増えていきます。水深六千五百メートルでは、約六百五十気圧で、一平方センチメートルに約六百五十キログラムの力がかかります。例えると小指の先にお相撲さんが約四人乗るほどの高圧が深海ではかかります。そして、深海の水温は水深約千メートルで二度から四度ととても寒い世界です。しかし、それより深い海でもほぼ一定の水温と言われています。太陽の光は、水深二百メートル程度で海面の百分の一パーセントになり、水深千メートル前後では百兆分の一程度のわずかな光になります。これは生物が検知出来る光の限界だとされていますが、深海はもっと深い所に続き、完全な暗黒の世界です。
 人工衛星やレーダーを駆使し、年々海底に存在する海溝や山脈といった起伏についてはかなり把握されてきているようですが、それでも実際に探索されたのは、海洋の五パーセント未満だそうです。まだまだ海洋にはほぼ無限といっていい未知の領域が広がっていて、それが全て解明かれるには、まだ数千年の年月と巨額の費用が必要だそうです。
 そんな深海に生息する生物には、等脚目最大のダイオウグソクムシやタコの仲間のメンダコや魚類の最大で11m272㎏のリュウグウノツカイ、チョウチンアンコウ、サメの仲間のラブカや世界最大の無脊椎動物のダイオウイカなどがいます。ぼくは小学生の頃に絵本で深海の生物の風変わりな姿にひかれ、ダイオウイカやリュウグウノツカイのはく製を見に行きました。生きたダイオウグソクムシがかなり大きくて驚きました。
 今日本には、しんかい六五〇〇という深度六千五百メートルまで潜る事が出来る潜水調査船があります。日本のみならず、世界の深海調査研究の中核を担う重要な役割を果たしている素晴らしい船です。現在世界最深の一万二千メートルまで潜航出来るしんかい一二〇〇〇の開発が進んでいるそうです。
 もしも実際に水深一万二千メートルの世界を見る事が出来たら、きっと未確認生物や今まで海上で行方不明になっていた船や飛行機も発見出来ると思います。
 二0二三年頃に海洋研究開発機構は、運用開始を目指しているみたいなので、きっと将来色んな深海の事が解ると思います。その日がとても楽しみです。

 

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2018年12月01日