佳作 「貝毒」の原因と影響について

近畿大学附属和歌山中学校 1年 田中 萌結

 毎年、春頃になると、市内放送で、
「大阪湾でアサリに貝毒が発生しています。潮干狩りで天然アサリを採って食べないで下さい。」
と流れてきます。それが小さい頃からずっと気になっていました。
 今回、この貝毒について調べる事にしました。
 まず、貝毒とは、主にカキやホタテやアサリなどの二枚貝が、毒素を持った植物性プランクトンを食べる事によって、体内に毒を蓄積させる現象を言います。貝自身には毒を持っていません。
 潮干狩りを楽しみにしている人たちには残念な事だし、漁業にも大きな影響が出ています。私の住んでいる地域でも、この頃採れるトリガイなどが出荷出来ず、被害が広がっています。
 そして、この貝毒に見分け方があるのか調べてみると、調査機関で調べないと、一般の人では分からないそうです。あと貝毒は熱にも強く加熱調理しても効き目がなく、洗い流すことが出来ないため食べられないのです。ただうれしい事に、市販のアサリなどは監視体制があり、貝毒が基準値以上になったものについては、出荷規制もされており、食中毒にならずに安心して食べる事が出来ます。
 貝毒を食べた時の症状は、食後三十分後ぐらいで舌、唇、顔や手足がしびれ、発熱など、過去には呼吸困難などで死亡した人もいるそうです。軽い食中毒くらいだと思っていましたが、この記事を読んで恐ろしくなりました。
 次に、その恐ろしい貝毒が発生する原因を調べてみることにしました。
 一つは、工場からの不正な排水がなくなり、大阪湾の水質が浄化された事で海中の栄養素が減り、低栄養でも増殖できる有毒プランクトンが増えたという事です。大阪湾の水がきれいになっているのに、結局毒性の貝が増えていくと何を優先していけば良いのか、思うようにいかないのが自然の力です。もう一つは、毒性のある植物性プランクトンのウズベン毛藻類を二枚貝が摂取して体内に蓄積することで貝毒が発生するようです。
 更に年々気温が上昇し、海の温度も上がっています。プランクトンは水温が上がると発生するので年々発生時期が早まり、期間も長くなっています。
 特に今年は例年より、四二倍の毒素を検出、一ヶ月も早い発生、瀬戸内海でも三十年ぶりに確認されました。三月に採取された有毒プランクトンは海水一ミリリットル当たり約四七〇〇個と例年の二十倍でした。
 これも地球温暖化が原因と言えます。
 この温暖化によって、世界の海や湖でも赤潮の原因となる有毒な植物性プランクトンの成長が進み始めています。海水温が上昇すると、貝だけでなく魚にも影響し、海の生態系が乱れ、今後の水産業にも多大な被害が出るでしょう。
 本来、植物性プランクトンは、魚や貝など海の生き物たちの餌として、役割を果たしています。しかし、海のどこかに異常が生じたら、生態系のバランスは崩れていってしまいます。
 自然環境と人間のバランスを保つ事が何より大切だという事、しかし、人間が深く考えずに壊している自然、元に戻すには時間がかかりそうです。

 

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2018年12月01日