銅賞 身近な海との関わり

田辺市立 新庄中学校 3年 米澤 風海

 私の住んでいる和歌山県田辺市にとって、海は、すぐ近くにあるとても身近なものであり、とても大切な宝物です。私たちは常に海に囲まれ、海と共に育ってきました。
 私と海との関わりは、私が産まれる前からあります。それは、私の名前に「海」が入っていることです。母が、私を産む当日に白浜で見た海と、そのとき感じた風にちなんで、「風海」と名付けてくれました。もしも私が、海が身近にない場所で産まれていたら、名前に「海」は入っていなかったかもしれません。だからこの名前は、私が、海が身近にある和歌山県で産まれたという証です。私にとって名前は、和歌山県や海と同様、宝物です。なぜなら、名前は、親から子への一番の愛がこもった贈り物だと思うからです。私が、こんな素敵な名前を付けてくれた母に感謝の気持ちでいっぱいです。一生付き合っていくこの宝物を、これからもずっと誇らしく思い、大切にしていきたいです。
 私と海との関わりは、他にもあります。例えば、私の祖父は釣りが趣味で、海から様々な魚をたくさん釣ってきてくれます。その魚を、祖母が、刺身やフライ、天ぷらなどにしてくれます。私は幼い頃から、それらをほぼ毎日のように食べてきました。この習慣は十年以上続いており、おそらく他の子どもたちよりも、多くの種類の魚や様々な魚料理を食べてきていると思います。これらは全て、手間暇かけて私たち家族の為に魚を釣ってきてくれる祖父と、その魚をおいしく料理してくれる祖母、そして海の魚たちによる恵みのおかげです。私は現在に至るまで、私たち人間の食の支えとなる魚に対し、感謝の気持ちを持って食べてきました。そしてこれからも、人間と海との関わりを大切にし、命をいただくありがたさを身に感じ、心から感謝して魚を食べていきたいです。また、次世代の子どもたちにも、これらを始めとする命の重みについて学んでほしいです、
 次に、私が通う新庄中学校では、十五年前から地震学という学習を行っています。私が住んでいる新庄地域は、かつて南海地震という大地震により津波の被害を受けました。そこで、防災をテーマにした学習、いわゆる新庄地震学が始まったのです。これも、津波、つまり海に関わることです。この地震学では三年生が中心に地震や津波、防災について学び、文化祭で発表するのが毎年恒例になっています。この恒例行事は、津波の被害を受けた地域だからこそ、始めるきっかけができ、現在に至るまで続けることができているのだと思います。過去の経験からの教訓を未来へ受け継いでいく。その重大な役割を、今私たちは担っています。その役割を存分に果たせるように、これからも精一杯取り組んでいきたいです。
 防災の活動に積極的なのは、田辺市も同様です。南海トラフ地震が発生した場合、田辺市は多くの場所が津波により浸水し、被害は相当深刻なものになると予想されています。この南海トラフ地震に備えるため、今まで以上に防災について重視されるようになりました。
 私の考えとしては、まずは地域の方々に防災について関心を持ってもらい、身近な人たちから防災意識を高めていってほしいです。それから、新庄中学校や田辺市を通して、全国の人にも防災についてもっと関心を深めてもらい、少しでも多くの正しい知識をもってほしいです。そして、実際に地震や津波が発生した際には、これらの成果を発揮し、逃げ遅れた人や犠牲者ゼロを実現させたいです。
 海は、地平線のずっと向こうまで、果てしなく大きく広がっています。そんな海は、時にはその美しさで人々に癒しを与え、時には泳いだり釣りをしたりするなどの娯楽の場を提供し、時には人間の食事の支えとなり、人々に笑顔を与えてくれる、大切な友達です。しかし時には、地震が発生すると、津波として人間の敵に姿を変えることもあります。自然の津波は人間の力ではどうすることもできません。海が敵対する津波に姿を変えるのならば、私たちが海に対して最善の対応をとれば良いのです。それは次第に防災意識に繋がっていきます。まずは、海と人との関わりを大切にし、どんな状態の海にも適応できるよう、海についてよく知る事が重要だと思います。それと、いつ発生するか想定できない地震や津波に備えるため、日頃から常に防災意識を高めておく必要があります。
 海は友達です。仲良くなるためには、相手のことをよく知り、相手のことを思いやる気持ちを持つことが大切だと思います。
 今回改めて私と海との関わりを考えてみて、様々な新たな発見があり、今まで以上に海を好きになることができました。
 みなさんにとって海とはどんな存在ですか。今一度考えてみてください。

 

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2018年12月01日